Porsche 914/8 (1969)

"Ferdinand Piech"


1969年に80馬力のVW製4気筒1.7リッターエンジンを搭載してデビューした 914。翌1970には110馬力の 911用の6気筒2リッターエンジンを搭載したホットバージョンの 914/6 が追加されています。これら市販された 914 とは一線を画す、908 用のレーシングユニットを搭載した実験車両が 914/8 です。

このオレンジ色の 914/8 は、2台が製造された 914/8 のうちの一台で、350馬力の 908 用の4カム3リッターユニットを搭載する ”羊の皮をかぶった狼” で、一見普通の 914 のように見えますが、よく見るとフロントバンパー下に設置されたオイルクーラー用の開口部や、他の 914 にはない4灯式のヘッドライト、形状の若干異なる丸みをおびたフェンダーのアーチなどが外観上の特徴となっています。

この作品は SMP24 1/24のレジン・キットを改造したものです。 同社からはあまりキット化されていない数々のスーバーカーが手ごろな1/24スケールでモデル化されており、914もそのひとつでした。全体のプロポーションが良好で、部品数も少なく、914の特徴を良くとらえているキットです。また選択して様々な仕様の 914を作るためのエッチング・パーツが付属しており、お気に入りのキットのひとつです。今回はこの オレンジ色の 914/8 だけの外観上の特徴である4灯式のヘッドライトや通常の 914とは若干形状の異なるフェンダーアーチなどを再現し、バケットシートや8気筒エンジンを追加してピエヒ博士の 914/8 に仕上げてみました。アウトバーン A8号線 ミュンヘン、シュツットガルト間の約230kmで、ナンバーも付いていないオレンジの 914/8で疾走するピエヒ博士の姿がたびたび目撃されていたといわれています。